火災共済と安心生活|“さっぽろ市民共済 暮らしのブログ”

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  • 【知らないと損!】火災共済で保障されない意外なケースとは?
    もしもの火事に備える火災共済。「これに入っていれば、火事のことはすべて安心!」そう思っていませんか?もちろん、火災共済は、「相互扶助」の精神に基づき、組合員みんなで支え合う、私たちの暮らしにとって非常に心強いセーフティネットです。しかし、万能というわけではありません。実は、火災共済のルールブックである「規約」には、「こういう場合には共済金をお支払いできません」という、いわゆる「免責事由」が定められています。「え、そうなの!?知らなかった…」そんな声が聞こえてきそうですが、ご安心ください。この記事では、火災共済のプロである私が、どんなケースが保障の対象外になるのか、皆さんがつい見落としがちなポイントを、具体例を交えながら分かりやすく解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたはきっと、ご自身の契約内容をより深く理解し、本当の意味での「安心」を手に入れているはずです。さあ、一緒に確認していきましょう!「わざと」や「うっかり」はNG!契約者の行動が原因の場合まず、大前提として知っておいていただきたいのが、共済契約者ご自身の行動が原因で火災が起きた場合、共済金が支払われないことがある、という点です。これは、助け合いの制度である共済事業の信頼性を守るための、とても大切なルールです。具体的には、次の2つのケースが挙げられます。「故意」による損害これは、言うまでもありませんが、共済金を得る目的などで「わざと」火をつけた場合、つまり放火です。これは犯罪行為であり、共済制度の根幹を揺るがす行為ですから、保障の対象外となるのは当然ですね。また、契約者だけでなく、契約者と生計を同じくするご家族(同一世帯に属する者)が故意に起こした損害も、原則として保障されません 。「重大な過失」による損害「うっかり」にも度合いがあります。「重大な過失」とは、「普通の人なら当然払うべき注意を、著しく怠った」状態を指します。判例では「ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態」とされており、単なる不注意とは一線を画します 。例えば、天ぷら油の入った鍋を火にかけたまま、長時間その場を離れてテレビに夢中になり、火災になった。寝たばこが危険だと何度も注意されていたにもかかわらず、布団の中で喫煙し、火災になった。といったケースが考えられます。このような場合は「重大な過失」と判断され、共済金が支払われない可能性があります 。私たちの共済制度は、組合員一人ひとりの誠実さの上に成り立っていることを、心に留めておきたいですね。自然の猛威には要注意!地震や風水害による損害日本は自然災害が多い国です。しかし、火災共済の基本的な保障は、その名の通り「火災等」を対象としており、自然災害による損害は原則として保障の対象外となります。地震・噴火・津波による損害地震による建物の倒壊や、津波による流失などは、火災共済では保障されません。ここで特に注意が必要なのは、「地震が原因で発生した火災」です。例えば、地震の揺れでストーブが倒れて出火し、家が燃えてしまった場合でも、その原因が地震であるため、残念ながら火災共済金の支払い対象にはならないのです 。風水害による損害台風による屋根の破損、豪雨による洪水で家が床上浸水した、といった風水害による損害も、火災共済の保障対象外です 。札幌市民共済の規約では、風水害を「暴風雨、旋風、突風、台風、高潮、高波、洪水、長雨、豪雨、雪崩れ、降雪及び降ひょう等」と定めています 。助け合いの心が生んだ「自然災害見舞金」制度「じゃあ、地震や台風の時は何も保障がないの?」と不安に思われたかもしれません。ご安心ください。私たち札幌市民共済には、「相互扶助」の精神から生まれた独自の「自然災害見舞金」制度があります 。これは、共済金の支払いとは異なりますが、地震や風水害で被害に遭われた組合員の方へ、組合が積み立てた資金の中からお見舞金をお支払いする制度です 。被害の程度に応じて金額は定められており、限度額はありますが 、少しでも被災された方の生活再建の助けになりたいという、組合員みんなの想いが形になったものです。それ、対象外かも?建物・家財の意外な落とし穴最後に、保障の対象となる「モノ」について確認しましょう。火災共済は「建物」と「家財(動産)」を保障するものですが、すべての建物や家財が対象になるわけではありません。保障の対象外となる「建物」法人(会社など)が所有する建物常に人が住んでいない建物(空き家や別荘など) ただし、転勤などで一時的に空き家になる場合など、例外的に認められるケースもあります 。建築中の建物こちらも、完成後30日以内の入居が確定している場合などは対象となることがあります 。契約した建物とは別の棟にある倉庫や車庫保障の対象外となる「家財(動産)」現金、預貯金証書、有価証券、切手など 貴金属、宝石、書画、骨董品などの美術品 自動車、オートバイ(原動機付自転車含む) 仕事で使うための商品、原材料、機械など(営業用のもの)火事場のドタバタでの紛失・盗難火災の混乱の中、避難させる際に大切なものが「紛失」したり、残念ながら「盗難」にあったりするケースも考えられます。しかし、これらの損害は火災による直接の損害とは認められず、保障の対象外となります 。まとめいかがでしたでしょうか。火災共済で保障されないケースについて、ご理解いただけたでしょうか。故意や重大な過失が原因の損害地震や風水害などの自然災害による損害そもそも保障の対象外とされている建物や家財これらの場合は、残念ながら共済金をお支払いすることができません。「なんだか、保障されないことが多くて不安になった…」もし、そう感じた方がいらっしゃっても、心配しすぎる必要はありません。今回ご紹介したのは、あくまで原則的なルールや、少し特殊なケースです。通常の火災であれば、火災共済はあなたの力強い味方になってくれます。大切なのは、ご自身の契約内容を正しく理解し、「何が保障されて、何が保障されないのか」を把握しておくことです。それが、万が一の時に慌てず、適切に行動するための第一歩となります。私たち札幌市民共済は、「相互扶助」の精神を基本理念としています。組合員一人ひとりがルールを正しく理解し、制度を大切に利用してくださることが、この素晴らしい助け合いの仕組みを守り、未来へとつないでいく力になります。もし、ご自身の契約内容で分からないことや、不安なことがあれば、いつでもお気軽に私たちにご相談ください。あなたの「もしも」にしっかりと寄り添い、安心をお届けするのが、私たちの使命です。
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  • 隣の火事、ウチは燃え損?失火責任法の落とし穴
    「もしも、お隣が火事になったら…?」考えたくないことですが、いつ自分の身に降りかかるか分からないのが災害です。もし、隣家からの燃え移り、いわゆる「もらい火」で我が家が被害を受けたら、その損害は一体誰が補償してくれるのでしょうか。多くの方が「それはもちろん、火事を起こしたお隣さんでしょう?」と考えるかもしれません。しかし、実はその常識、日本では通用しない可能性が非常に高いのです。その根拠となるのが、「失火責任法」(しっかせきにんほう)という法律の存在です。この法律を知らないままでいると、万が一の際に途方に暮れてしまうかもしれません。今回は、そんな「知らなかった」では済まされない失火責任法の世界に、皆さんと一緒に踏み込んでいきたいと思います。この記事を読み終える頃には、きっと明日からの安心に繋がるヒントが見つかるはずです。「え、ウチは燃え損?」失火責任法の驚きの原則法律が認める「お互い様」の精神普段の生活ではまず耳にすることのない「失火責任法」。正式名称は「失火ノ責任ニ関スル法律」という、明治32年に作られた古い法律です。この法律の核心は、たった一つの条文に集約されています。「民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス」…少し難しいですね。これを分かりやすく言い換えると、「火事を起こして他人に損害を与えてしまっても、その火事を起こした人に“重大な過失”がなければ、損害賠償責任は負わなくてもよい」ということになります。つまり、お隣の火事が原因であなたの家が燃えてしまっても、火元であるお隣さんに「重大な過失」、略して「重過失」(じゅうかしつ)がなければ、あなたは家の修理代や建て替え費用を請求できない、ということ。これが、日本の法律の原則なのです。「そんな理不尽な!」と思うかもしれません。なぜ、このような法律が存在するのでしょうか。その背景には、日本の「木造家屋が密集する」という住環境の歴史があります。一度火事が発生すると、次々と燃え広がりやすい。そんな状況で、失火者にすべての賠償責任を負わせてしまうと、たった一度の失敗で人生が破綻しかねません。そこで、「火事は誰にでも起こしうること。お互い様だ」という考え方のもと、失火者の責任をあえて軽くしているのです。「重過失」って、どんな場合?では、賠償責任が発生する例外、「重過失」とは一体どのようなケースを指すのでしょうか。これは、単なる「うっかり」を超えた、「ちょっと注意すれば火事を防げたはずなのに、それを怠った」と判断されるような、極めて注意を欠いた状態を指します。過去の判例では、以下のようなケースが重過失と認定されています。天ぷらを揚げている最中に、コンロの火をつけたまま長時間その場を離れた。寝たばこが火事の原因になることを十分認識しながら、日常的に繰り返していた。石油ストーブに給油する際、火を消さずに給油し、こぼれた灯油に引火させた。漏電の危険性を業者から指摘されていたにもかかわらず、修理せずに放置して火災になった。これらはほんの一例ですが、誰が聞いても「それは危ないよ…」と感じるような状況が「重過失」にあたります。逆に言えば、これ以外の、例えば「鍋のかけ忘れに気づくのが少し遅れた」「電気ストーブの近くにうっかり燃えやすいものを置いてしまった」といった一般的な不注意(軽過失)では、賠償責任を問うことは非常に難しいのが現実です。泣き寝入りしない!「もらい火」から身を守る唯一の方法失火責任法の原則を知ると、「じゃあ、もらい火で被害を受けたら泣き寝入りするしかないの?」と不安になりますよね。ご安心ください。たった一つ、しかし非常に強力な自衛策があります。それが、「自分自身で火災保険に加入しておくこと」です。自分の保険が、自分を救うもらい火による被害は、原則として、自分の家が加入している火災保険を使って修理や建て替えを行うことになります。「え、原因は自分じゃないのに、自分の保険を使うの?」と疑問に思うかもしれません。しかし、これこそが失火責任法という特殊な法律がある日本において、自分たちの財産を守るための唯一と言っても過言ではない方法なのです。嬉しいことに、多くの火災保険では、もらい火のように自分に責任がない火災で保険金を受け取っても、自動車保険のような「等級制度」がないため、翌年からの保険料が上がることはありません。火災保険は「暮らしのお守り」火災保険を選ぶ際には、万が一の際に十分な補償を受けられるか、しっかりと確認することが大切です。建物の保険金額家を再建・修復するのに十分な金額が設定されているかを確認しましょう。物価や建築費の上昇も考慮して、定期的な見直しが必要です。家財の保険金額意外と忘れがちなのが、家具や家電、衣類などの「家財」の補償です。建物が無事でも、中の家財が水浸しや煤(すす)で使えなくなるケースは少なくありません。家族構成やライフスタイルに合わせて、適切な金額を設定しましょう。特約の活用火災保険には、様々なオプション(特約)があります。例えば、「類焼損害補償特約」(るいしょうそんがいほしょうとくやく)というものがあります。これは、万が一自分の家が火元になってしまい、かつ自分に重過失がなかった場合に、お隣さんの損害を自分の保険で補償できるというものです。法的な賠償責任はなくても、ご近所への道義的責任を果たしたいと考える方にとって、まさに「相互扶助」の精神を形にした特約と言えるでしょう。問われるのは「お互い様」の心。地域で育む防災意識失火責任法は、「誰もが被害者にも、そして加害者にもなり得る」という事実を私たちに突きつけます。法律や保険は、あくまで事が起こった後のための備え。最も大切なのは、そもそも火事を「起こさない、広げない」ための日頃の取り組みです。そして、その意識は個人の努力だけでなく、地域全体で共有することで、より強固なものになります。我が家の防火チェックリストまずは、ご家庭の火の元を再点検してみましょう。住宅用火災警報器は設置されていますか? 正常に作動するか、定期的に点検しましょう。消火器はありますか? 使い方と設置場所を家族全員で共有しておきましょう。コンセント周りはタコ足配線になっていませんか? プラグに溜まったホコリは火災の原因になります。ストーブの周りに燃えやすいものを置いていませんか?こうした小さな確認の積み重ねが、万が一を防ぐ大きな力になります。地域で支え合う「共助」の輪自分の家を守る「自助」の次は、地域で助け合う「共助」の視点が重要です。例えば、自治会や町内会が主催する防災訓練に参加することは、非常に有意義です。消火器の使い方を学んだり、避難経路を実際に歩いてみたりするだけでなく、「顔の見える関係」を築く絶好の機会となります。災害時に本当に頼りになるのは、遠くの親戚よりも近くの他人、つまりお隣さんです。日頃から挨拶を交わし、高齢者世帯や小さなお子さんがいる家庭を気にかける。そうした何気ないコミュニケーションが、いざという時の迅速な避難や助け合いに繋がります。「自分の地域は、自分たちで守る」。この「地域貢献」の意識こそが、法律や保険だけではカバーしきれない、暮らしの安全網を築き上げるのです。まとめ今回は、「失火責任法」という、私たちの常識を少し揺さぶる法律について掘り下げてきました。最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。お隣からの「もらい火」でも、火元に“重過失”がなければ、原則として損害賠償は請求できない。自分の財産を守るためには、自分自身で適切な「火災保険」に加入しておくことが唯一にして絶対の対策である。そして最も重要なのは、日頃からの防火対策(自助)と、地域で支え合う「相互扶助」の精神(共助)を育むこと。「知らなかった」では、大切な家族と財産を守ることはできません。この記事をきっかけに、ぜひ一度、ご自身の火災保険の内容を見直してみてください。そして、ご家庭や地域での防災について、家族やご近所さんと話し合ってみてはいかがでしょうか。明日の安心は、今日の備えから。一つひとつの小さな行動が、未来の安全を築いていくのです。
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