
皆さん、こんにちは!
いつも私たちの活動にご関心をお寄せいただき、本当にありがとうございます。
さて、突然ですが、「アイスホッケー」と「防災」。
この二つの言葉から、皆さんはどんな関係性を想像しますか?
「え、全然関係ないでしょう?」
そんな声が聞こえてきそうですね。
実は先日、私たちのもとに、キラキラと目を輝かせた4人の中学生が訪ねてきてくれました。彼らは、札幌市で活動する「札幌フェニックス・ジュニアホッケークラブ」の選手たち。このたび、ご縁があって私たちが彼らのチームを支援させていただくことになり、そのお礼のためにわざわざ足を運んでくれたのです。
今回は、なぜ私たちがジュニアアイスホッケーチームを支援することになったのか、そして、その活動が私たちの理念である「相互扶助」や「地域貢献」、さらには未来の「防災」にどう繋がっていくのか、その裏側にある想いをお話しさせていただきたいと思います。
事の始まりは、今年の春のことでした。「市内で活動するジュニアアイスホッケークラブが、ウインタースポーツの振興と活動資金確保のために協賛企業を募集している」というお話を耳にしたのです。
詳しくうかがうと、そのチーム「札幌フェニックス・ジュニアホッケークラブ」は、平成13年に設立された歴史と実績のあるチームで、プロ選手も数多く輩出しているほどの名門でした。しかし、近年はウインタースポーツ離れが顕在化し、競技人口の減少という大きな壁に直面しています。さらに、防具の購入費やリンクの使用料といった経済的な負担も大きく、子どもたちが大好きなアイスホッケーを続けていくことが困難になりつつある、という切実な状況だったのです。
このお話を聞いたとき、私たちの心はすぐに決まりました。
「これは、私たちの出番ではないか!」
私たちの活動の根幹には、常に「相互扶助」と「地域貢献」という理念があります。困ったときはお互いに助け合い、自分たちが暮らす地域をより良くしていく。それは、なにも災害時や緊急時に限った話ではありません。未来を担う子どもたちが、夢中になれるものに打ち込めない。そんな「困りごと」に手を差し伸べることも、立派な地域貢献であり、未来への投資だと考えたのです。
“地域の子どもは、地域みんなで育てる”
そんな温かい想いの輪が広がることこそ、暮らしやすい社会の土台となるはずです。私たちは、彼らの挑戦に共感し、協賛企業の一員として支援することを決定しました。
先日、始業式を終えた足で、選手たちとその親御さんが当組合を訪ねてくれました。創立以来初めて新調したというピカピカのユニフォームに身を包んだ彼らの姿は、本当に頼もしく、少し照れているようでしたが、清々しい笑顔がとても印象的でした。そして、キャプテンから心のこもった感謝の言葉を直接いただき、私たちも胸が熱くなりました。
ここで、少し視点を変えてみましょう。
アイスホッケーは、激しくぶつかり合いながら、仲間とパスを繋ぎ、チーム一丸となってゴールを目指すスポーツです。そこでは、個人の力だけでなく、瞬時の判断力、仲間との連携、そしてお互いを信頼し、助け合う心が何よりも重要になります。
これって、何かに似ていると思いませんか?
そう、災害時に求められる「共助」の姿そのものです。
いざという時、私たちを守ってくれるのは、頑丈な建物や備蓄品だけではありません。「お隣さんは大丈夫だろうか」「あそこのお年寄りは一人で避難できるだろうか」と、互いを気遣い、声をかけ、助け合う地域のつながり、すなわちコミュニティの力こそが、被害を最小限に食い止める“最強の防災力”となるのです。
子どもたちがチームスポーツを通して学ぶ連携と思いやりの心は、まさにこの「共助」の精神の芽生えです。彼らが地域に愛着を持ち、仲間との絆を深めながら成長していくこと。それは、遠回りに見えるかもしれませんが、10年後、20年後の私たちの地域の防災力を、確実に高めていくことに繋がっています。
私たちがユニフォームに託したのは、単なる活動資金ではありません。地域を想い、仲間を助ける「相互扶助」の心を、次の世代へとつないでいく、未来への「パス」なのです。
最後に、もう一つ面白い共通点をお話ししましょう。
アイスホッケーの選手たちは、ヘルメットやショルダーパッド、レガース(すね当て)など、全身を頑丈な防具で固めています。なぜなら、激しいプレーの中で自分の身を守り、安心して最高のパフォーマンスを発揮するためです。これは、未来の怪我というリスクに対する、最高の「備え」と言えるでしょう。
ひるがえって、私たちの暮らしにおける「備え」とは何でしょうか。
地震に備える防災グッズ、そして、火災という万が一の事態から大切な住まいと暮らしを守る「火災共済」。これらもまた、予期せぬリスクから私たち自身と家族を守り、「安心して毎日を暮らす」ための大切な「備え」です。
つまり、選手たちの防具も、私たちの火災共済も、
“未来を守るための備え”
という点で、その本質は全く同じなのです。
「備えあれば憂いなし」とはよく言ったものですが、どうしても日々の忙しさの中で後回しにされがちです。しかし、氷上の戦士たちが防具なしでリンクに立てないように、私たちも「備え」なくして、真の安心は得られません。子どもたちが安心してスポーツに打ち込める環境を整えること。そして、私たちが安心して暮らせる地域社会を作ること。どちらも、未来を見据えた大切な「備え」なのです。
今回は、ジュニアアイスホッケークラブへの支援をきっかけに、スポーツと地域貢献、そして防災との意外なつながりについてお話しさせていただきました。
私たちが届けた支援という「パス」は、新しいユニフォームとなり、選手たちの手に渡りました。そして彼らは、そのユニフォームを着て臨んだ試合で見事勝利を収めたそうです。 この勝利は、きっと彼らの自信となり、次への挑戦への大きな力となることでしょう。
一つのパスがゴールに繋がるように、私たちの小さな行動が、子どもたちの未来へ、そして地域の安全な未来へとつながっていく。私たちはそう信じています。この「相互扶助」のパスを、これからも様々な形で地域へとつないでいきたい。それが私たちの変わらぬ願いであり、使命です。
皆さんも、ご自身の暮らしの中でできる「小さなパス」を、少しだけ意識してみませんか?
ご近所への挨拶や、地域のイベントへの参加。そんな些細なことの積み重ねが、いざという時にあなたとあなたの大切な人を守る、大きな力になるはずです。
札幌フェニックス・ジュニアホッケークラブの今後の大いなる活躍を、心から応援しています!