賃貸派は必見!大家さんへの賠償に火災共済の修理費用共済金

賃貸派は必見!大家さんへの賠償に火災共済の修理費用共済金

賃貸住宅で火事や水漏れ。「うっかり」が大家さんへの高額賠償に繋がることも。実は失火責任法では守られない賃借人の責任があるんです。あなたの暮らしを守る、火災共済の「修理費用共済金」について、相互扶助の視点から分かりやすく解説します。

「賃貸だから、火災保険は家財だけで十分」


もし、あなたがそう思っているなら、少しだけお時間をください。その考えには、思わぬ落とし穴が潜んでいるかもしれません。


万が一、あなたの部屋から火災や水漏れが発生してしまったら…?
自分の家財道具が被害に遭うだけでなく、大家さんへの賠償という、もう一つの大きな問題が待ち構えているのです。


「え、でも火事の損害は、火元の人に請求できないって聞いたけど…?」


その通りです。しかし、それには例外があります。
今回は、賃貸暮らしの方にこそ知っていただきたい、大切なお金の話。「相互扶助」の精神から生まれた、私たちの火災共済が提供する「修理費用共済金」という心強い味方について、分かりやすく紐解いていきましょう。


「うっかり」が招く高額賠償!賃貸暮らしに潜む落とし穴


賃貸住宅での暮らしは、自由で身軽なイメージがありますよね。しかし、その裏側には「借り物である」という大きな責任が常に伴います。もし、自分の不注意で部屋に損害を与えてしまったら、その原状回復費用を負担しなければなりません。


失火責任法ではカバーできない大家さんへの責任

「失火責任法」という法律をご存知でしょうか。これは、もし火事を起こしてしまっても、重大な過失がなければ隣家などへの損害を賠償しなくてもよい、という法律です。日本の木造家屋が多いという事情を考慮した、いわば「お互い様」の精神に基づいた法律です。



しかし、この法律は大家さんとの関係には適用されません。なぜなら、大家さんとあなたとの間には「賃貸借契約」という約束があるからです。契約書には通常、「借りた部屋を退去時には元の状態に戻して返す」という内容が含まれています。


火事や水漏れで部屋を損傷させてしまった場合、この「元の状態に戻して返す」という約束を守れなくなります。これを「債務不履行」といい、たとえ火事に重大な過失がなくても、大家さんに対して損害を賠償する責任が生じるのです。


自分の部屋だけじゃない?賠償責任は建物全体に及ぶことも

さらに深刻なのは、賠償の範囲が自分の借りている部屋だけに留まらないケースがあることです。判例によっては、アパートやマンション全体に被害が及んだ場合、その全体の損害について賠償責任を負う可能性があるとされています。


「ちょっとした不注意」が、想像もしていなかったような高額な賠償につながるリスクが、賃貸暮らしには潜んでいるのです。


あなたのピンチを救う!修理費用共済金の頼れる中身


そんな「もしも」の時に、経済的な負担を大きく軽減してくれるのが、札幌市民共済の「修理費用共済金」です。これは、私たちの共済の基本である「相互扶助」、つまり組合員みんなで少しずつ掛金を出し合って、困った人がいれば助け合うという考え方から生まれた、賃貸暮らしの方のための特別な保障です。


どんな事故が対象になるの?

この共済金は、あなたが住んでいる借家やアパートで、あなたの責任によって次の事故を起こしてしまい、建物を破損させてしまった場合に支払われます。


火災
破裂・爆発
水漏れ


例えば、「料理中に火の不始末で壁を焦がしてしまった」「洗濯機のホースが外れて床を水浸しにしてしまった」といった、日常生活に起こりがちな「うっかり」が原因の事故が対象となります。


いくらまで保障されるの?

大家さんとの賃貸借契約に基づいて、あなたが実際に自己負担で修理を行った費用に対して共済金が支払われます。


その限度額は、「1回の事故につき50万円」または「ご加入の家財の共済金額の10%」の、いずれか少ない方の額となります。


決して小さな金額ではありません。この保障があるかないかで、万が一の時の安心感は大きく変わってくるはずです。


賢く備える!修理費用共済金を最大限に活用するコツ


修理費用共済金は、単独で加入するものではありません。ここでは、この心強い保障を最大限に活かすためのポイントと、私たちの共済ならではの考え方についてお伝えします。


まずは家財共済への加入から

修理費用共済金は、火災共済の「動産(家財)」の契約に付帯する保障です。つまり、ご自身の家財道具を守るための共済に加入することで、自動的に大家さんへの賠償にも備えられる仕組みになっています。


自分の大切な財産を守ることはもちろん、賃貸暮らしのリスク全体をカバーするためにも、まずは家財の共済にしっかりと加入しておくことが基本となります。


万が一の時の手続きの流れ


もし事故を起こしてしまったら、まずは慌てずに当組合にご連絡ください。共済金の請求には、修理費用の見積書や領収書などが必要になります。 私たち職員が、組合員一人ひとりの状況に寄り添い、必要な手続きを丁寧にご案内しますので、ご安心ください。これが地域に密着した共済ならではの、顔の見えるサポートです。


助け合いの心が生んだ「お見舞い」制度との違い

火災共済には、「失火見舞費用共済金」「漏水見舞費用共済金」といった保障もあります。これらは、隣家など第三者に迷惑をかけてしまった場合に、その方へのお見舞いの気持ちとしてお支払いする費用を保障するものです。



「修理費用共済金」が大家さん(貸主)への法的な賠償責任に備えるものであるのに対し、「見舞費用共済金」はご近所への道義的な責任を果たすためのもの。どちらも、単なる金銭的な補償だけでなく、円満なご近所関係を維持し、地域社会の中で安心して暮らしていくために大切な、「相互扶助」の精神の表れなのです。


まとめ


賃貸住宅での暮らしは、自由で快適な反面、常に「借り物」であることへの責任が伴います。特に、自分の過失で火災や水漏れを起こしてしまった場合の大家さんへの賠償責任は、決して軽視できないリスクです。


今回ご紹介した「修理費用共済金」は、そんな賃貸暮らしの「もしも」に備えるための、非常に重要な保障です。これは、営利を目的としない私たち市民共済だからこそ実現できた、組合員の暮らしに寄り添う制度です。


安い掛金で、自分の家財だけでなく、大家さんへの万一の賠償にも備えることができる。これこそ、みんなで支え合う「相互扶助」の大きな力です。


この記事を読んで、少しでも不安を感じた方、保障内容についてもっと詳しく知りたいと思った方は、ぜひお気軽に札幌市民共済までお問い合わせください。あなたの安心な毎日を、地域と共に支えていくことが、私たちの何よりの願いです。