恐怖の「パチッ」が引火の合図?北海道の冬、ガソリンスタンドで静電気除去をサボってはいけない理由

恐怖の「パチッ」が引火の合図?北海道の冬、ガソリンスタンドで静電気除去をサボってはいけない理由

北海道の冬は乾燥による静電気が発生しやすく、セルフ式ガソリンスタンドでの給油中火災のリスクが高まります。静電気が火種になる仕組みと、命を守る正しい給油手順、万が一の備えについて解説します。


令和7年の冬も、北海道らしい厳しい寒さが続いていますね。

暖房の効いた部屋から一歩外に出ると、キーンと冷えた空気が肌を刺す季節です。

この時期、ドアノブに触れたり、服を脱いだりするときに「バチッ!」と走る静電気に悩まされている方も多いのではないでしょうか。

単に「痛い」「不快だ」で済めば良いのですが、この小さな火花が、特定の場所では取り返しのつかない大事故の引き金になることがあります。

それが、私たちが日常的に利用する「ガソリンスタンド」です。

特に人件費高騰や人手不足の影響もあり、札幌市内でもセルフ式のスタンドが主流となりました。

ご自身で給油ノズルを握る機会が増えた今だからこそ、改めて知っておきたいのが「静電気による車両火災」の恐ろしさです。

今回は、乾燥した北海道の冬にこそ注意が必要な、ガソリンスタンドでの静電気対策と、万が一の事態に備える相互扶助の心構えについてお話しします。

なぜ静電気が「火種」になってしまうのか


「たかが静電気で、ガソリンに火がつくはずがない」と思っていませんか。

実は、ガソリンというのは私たちが想像している以上に、非常にデリケートで危険な物質です。

ガソリンの引火点(火がつく最低温度)は、なんと「マイナス40度以下」です。

つまり、極寒の北海道の真冬であっても、ガソリンは常に気化しており、空気中には燃えやすい「ガソリン蒸気」が漂っているのです。

給油口のキャップを開けた瞬間、目には見えませんが、そこからは可燃性のガスがゆらゆらと立ち上っています。

そこに、私たちの体から放たれる「バチッ」という静電気の火花が飛んだらどうなるでしょうか。

静電気のエネルギーは小さいように思えますが、ガソリン蒸気に着火させるには十分すぎるほどの熱量を持っています。

「火種」「燃料」「酸素」が揃った瞬間、一瞬にして炎が燃え広がり、大惨事を招いてしまうのです。

特に北海道の冬は、重ね着をする機会が多くなります。

フリースやダウンジャケット、ヒートテックなどの化学繊維を重ね着すると、衣類同士の摩擦で静電気が体に溜まりやすくなります。

その帯電した状態で、何の対策もせずに給油ノズルや給油口に近づくことは、まさに「見えないライター」を持って近づくのと同じくらい危険な行為なのです。

セルフスタンドで命を守る「3つの鉄則」


では、どうすれば悲惨な事故を防ぐことができるのでしょうか。

セルフスタンドを利用する際に、必ず守っていただきたい「3つの鉄則」をご紹介します。


1.静電気除去シートに「必ず」触れる

給油機には、黒やオレンジ色の「静電気除去シート」が必ず設置されています。

給油キャップを開ける前に、このシートに手のひらをしっかりと押し当ててください。

これだけで、体に溜まった電気をアース(地面)へ逃がすことができます。

手袋をしたままでは効果がない場合がありますので、必ず「素手」で触れるようにしましょう。

冬場は寒くて手袋を外したくない気持ちも分かりますが、この数秒の行動が、あなたと同乗者、そして周囲の人々の命を守ります。

2. 給油中は車内に戻らない

寒さの厳しい北海道では、オートストップ(満タン自動停止)が働くまでの間、暖を取ろうとして一度車内に戻ってしまう方がいらっしゃいます。

しかし、これは非常に危険です。

車のシートと衣服が擦れることで、せっかく除去した静電気が再び体に溜まってしまうからです(再帯電)。

その状態で再び給油ノズルに触れようとすると、その瞬間に火花が飛び、給油口付近で引火するケースが過去に何度も報告されています。

給油が終わるまでは、寒くても所定の位置から動かないようにしましょう。

3.一人で給油する

お子様が給油のお手伝いをしたがることもあるかもしれませんが、給油ノズルを握るのは免許を持った大人だけにしましょう。

子供は動き回ることが多く、静電気を帯びやすい上に、除去シートに触れる習慣もありません。

また、同乗者が車から降りてくるのも、静電気発生のリスクを高めます。

給油中は窓やドアを閉め、同乗者には車内で待機してもらうのが最も安全です。

「もしも」の時に慌てないための備え


どれほど注意していても、予期せぬトラブルは起こり得ます。

万が一、給油中に発火してしまった場合は、慌ててノズルを抜いてはいけません。

ノズルを抜くとガソリンが撒き散らされ、火災が拡大する恐れがあるからです。

そのまま静かに離れ、店員を呼ぶか、備え付けの消火器を使用するのが正解です。

そして、事故が起きてしまった後の「責任」についても考えておく必要があります。

自分の不注意でガソリンスタンドの設備を壊してしまったり、他人の車に延焼させてしまったりした場合、多額の損害賠償を請求される可能性があります。

こうしたリスクに備えるのが、私たちが提案する「共済」「個人賠償責任保険」の役割です。

さっぽろ市民共済では、営利を目的としない「助け合い」の精神で、組合員の皆様の生活を守るための保障を提供しています。

火災共済に付帯できる「個人賠償責任保険」「借家人賠償責任保険」などは、日常生活のふとした過失による賠償事故をカバーできる場合があります。

「自分は大丈夫」と思わず、冬の静電気対策と同じように、万が一の時の「見えない盾」を用意しておくことが、心の平穏につながります。

まとめ


冬の北海道において、ガソリンスタンドでの静電気は決して侮れない存在です。

「マイナス40度でも引火する」というガソリンの怖さを正しく理解し、給油前には必ず「静電気除去シート」に触れる習慣を徹底しましょう。

面倒がらずにひと手間かけること、それが自分と大切な家族を守る最大の防御策です。

そして、物理的な対策とともに、経済的な備えも忘れてはいけません。

さっぽろ市民共済は、これからも札幌・北海道に暮らす皆様が、安心して冬を越せるよう、相互扶助の精神で寄り添い続けます。

安全なカーライフと、温かい暮らしのために、今日から「バチッ」への警戒レベルを少しだけ上げてみてくださいね。