火災共済と安心生活|“さっぽろ市民共済 暮らしのブログ”

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  • その油断、命取り。マンション火災3つの新常識
    「うちのマンションは鉄筋コンクリート造りだから、火事になっても燃え広がりにくいし安心だ」もし、あなたが心のどこかでそう思っているとしたら、少しだけお時間をください。その「安心」は、時として最も危険な油断となり得ます。一瞬にして日常を奪い去る火災は、決して他人事ではありません。特に、多くの世帯が壁一枚で暮らす集合住宅では、一つの火種が想像を絶する事態を引き起こす可能性があるのです。この記事では、長年防災に携わってきた専門家として、そして地域社会の「助け合い」を支える共済組合の一員として、見過ごされがちなマンション火災の恐ろしさと、本当に重要な防火の心得について、独自の視点からお話しします。読み終えたとき、あなたはきっと「知っておいてよかった」と感じるはずです。「燃えにくい」という神話の落とし穴確かに、マンションの構造体である鉄筋コンクリートは不燃性です。しかし、それは「建物が燃え落ちない」というだけで、「室内が燃えない」という意味ではありません。私たちの暮らしは、カーテン、ソファ、衣類、書籍といった実に多くの可燃物に囲まれています。一度火がつけば、あっという間に室内は炎と危険なガスで満たされてしまうのです。火災で命を落とす原因の多くは、実は炎による火傷ではなく、煙や有毒ガスを吸い込むことによる窒息や中毒です。特に恐ろしいのは、煙が驚くべき速さで上階へと拡散していくこと。階段やエレベーターシャフトが煙突のような役割を果たし、たとえ火元から遠い部屋にいても、あっという間に危険な状況に陥るのです。ベランダが火の通り道になる危険性あなたが安全だと思っているベランダも、火災時には火の通り道になることがあります。上階の住人が捨てたタバコの火が、あなたのベランダに干してある洗濯物に燃え移る。あるいは、下の階の火災が窓を突き破り、ベランダを伝ってあなたの部屋に迫ってくる。さらに見落としがちなのが、ベランダにある隣室との「隔て板」です。ここは火災などの緊急時に破って避難するための「命の通路」ですが、物置代わりに使っているご家庭が少なくありません。「うちだけは大丈夫」という油断が、自分と隣人の逃げ道を塞いでしまうことになるのです。あなた一人の問題ではない「共同責任」という現実戸建て住宅とマンションの火災で決定的に違う点、それは「被害が自分の部屋だけで収まらない」ということです。もし、あなたの部屋から火を出してしまったら、どうなるでしょう。炎や煙が隣の部屋や上の階に燃え広がる直接的な被害はもちろん、消火活動による「水濡れ被害」も深刻です。消防車が放水した大量の水は、あなたの部屋の床を抜け、階下の部屋の天井から降り注ぎます。その結果、階下の住人の大切な家財道具や電化製品を台無しにしてしまうのです。火災は、被害者であると同時に、意図せずして「加害者」にもなり得る。それが集合住宅に住む者の「共同責任」です。「申し訳ない」という気持ちだけでは、隣人の失われた日常を取り戻すことはできません。法律は守ってくれても、心は守れない日本では「失火責任法」という法律があり、火元となった人に重大な過失がなければ、隣家への損害賠償責任は原則として免除されます。しかし、法律があなたを守ってくれたとしても、「お隣さんの生活をめちゃくちゃにしてしまった」という心の負担や、その後のご近所関係はどうなるでしょうか。金銭的な問題以上に、精神的なダメージは計り知れません。最強の防火対策は「ご近所付き合い」にありでは、どうすればマンション火災のリスクに備えることができるのでしょうか。火災報知器の設置や消火器の準備はもちろん重要です。しかし、私が最も大切だと考える、意外なようで最も効果的な防火対策があります。それは「良好なご近所付き合い」です。唐突に思われるかもしれませんが、これこそが私たちの掲げる「相互扶助(助け合い)」の精神の第一歩なのです。例えば、日頃から挨拶を交わす関係であれば、火災の初期消火に協力してくれるかもしれません。「最近、〇〇さんの姿を見ないけれど大丈夫かしら」と気にかけてもらうことが、万が一の事態の早期発見に繋がることもあります。年に一度の防災訓練に積極的に参加することも、顔見知りを増やす絶好の機会です。誰がどこに住んでいるのか、どんな家族構成なのかを何となくでも知っているだけで、緊急時の避難や安否確認は格段にスムーズになります。お互いを気遣う小さな意識の積み重ねが、コミュニティ全体の防災力を高める、最も確実な投資なのです。まとめ今回は、集合住宅における防火の新常識についてお話ししました。鉄筋コンクリートという「神話」を信じず、室内や煙の危険性を正しく理解すること。火災は「共同責任」。あなた一人の問題ではないと自覚すること。日頃からの「ご近所付き合い」こそが、最強の防災対策であること。これらの心構えを持つことが、あなたと大切な隣人の命と暮らしを守る第一歩です。そして、どれだけ備えても起こってしまう「万が一」のために、最後の砦となるのが経済的な備えです。私たち共済組合は、「一人は万人のために、万人は一人のために」という「相互扶助」の理念のもと、営利を目的とせず、組合員の皆様が少しずつ掛金を出し合って、もしもの時に助け合う仕組みを運営しています。手頃な掛金で、火災はもちろん、自然災害など幅広いリスクに備えることができます。自分のため、そして地域で暮らす仲間のために、賢い備えを始めてみませんか。それは、安心な未来への、最も確かな一歩となるはずです。
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  • 【家族を守る】防災グッズ|本当に役立つ最低限リスト
    【家族を守る】防災グッズ|本当に役立つ最低限リスト皆さん、こんにちは!防災や暮らしの知恵などについて、独自の視点で切り込むプロブロガーです。いつも応援ありがとうございます。さて、今日のテーマは「防災グッズ」。テレビやネットで特集されることも多いですが、「正直、何から揃えればいいのか分からない」「最低限って言うけど、本当にそれで足りるの?」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。日本は地震や台風、大雨など、自然災害が多い国です。「いつか来るかもしれない」ではなく、「いつ起こってもおかしくない」という意識を持つことが、まず大切。でも、不安を煽るだけでは何も始まりませんよね。この記事では、多くの情報に惑わされず、本当に家族を守るために必要な防災グッズは何か、そして、ただモノを揃えるだけでなく、もっと大切な「備えの本質」について、私なりの視点でお話ししていきます。ごく普通の市民である皆さんが、「なるほど!」と思って、今日から行動に移せるようなヒントが満載ですので、ぜひ最後までお付き合いください!「いつか」ではなく「今日」備える!防災グッズの本当の必要性「防災グッズ、用意しなきゃなあとは思うんだけどね…」そう言って、ついつい後回しにしてしまう気持ち、すごくよく分かります。日常生活が忙しいと、まだ起こっていない未来の心配まで手が回らない、というのが正直なところかもしれません。でも、想像してみてください。もし今、大きな地震が起きたら?もし、台風で電気が止まり、水道も使えなくなったら?スーパーやコンビニからはあっという間に食料や水が消え、電話も繋がりにくくなるかもしれません。避難所に行っても、すぐに十分な支援が受けられるとは限りません。そんな時、頼りになるのは自分自身、そして家族、さらにはご近所との助け合いです。防災グッズは、単なる「気休め」ではありません。それは、電気・ガス・水道といったライフラインが止まった状況でも、最低限の生活を維持し、自分と大切な家族の命と健康を守るための「命綱」なのです。特に、災害発生直後の72時間(3日間)は、人命救助が最優先され、支援物資がすぐには届かない可能性が高いと言われています。この「魔の72時間」を、いかに自力で乗り切るか。そのために、最低限の備えは絶対に必要不可欠なんです。「でも、うちは大丈夫じゃないかな」「なんとかなるでしょ」…そんな風に思う気持ちも分かります。しかし、災害は本当に「まさか」のタイミングでやってきます。あの時、ちゃんと備えておけばよかった…と後悔しないために、「いつか」ではなく「今日」、小さなことからでも備えを始めることが、未来の安心につながる第一歩なのです。これだけは絶対!命を守る「最低限」防災グッズリストでは、具体的に何を揃えればいいのでしょうか?「最低限」といっても、人によってイメージするものは様々かもしれません。ここでは、どんな災害であっても、まず命を守り、最低限の生活を送るために「これだけは絶対に必要!」と私が考えるリストをご紹介します。1.水(飲料水):1人1日3リットルを目安に最低3日分言うまでもなく、人間が生きていく上で最も重要です。飲用だけでなく、簡単な調理や衛生用にも使います。ペットボトルの水を箱で備蓄しておくのが基本ですが、持ち出し用リュックには500mlのものを数本入れておくと便利です。浄水器や携帯用浄水ボトルもあると、さらに安心ですね。2.食料(非常食):最低3日分、できれば1週間分調理不要で食べられるもの(缶詰、レトルト食品、アルファ米、栄養補助食品、お菓子など)が基本。ポイントは「食べ慣れているもの」を選ぶこと。災害時のストレス下では、普段食べないものが喉を通らないこともあります。ローリングストック法(後述します)を活用して、普段の食事に取り入れながら備蓄するのがおすすめです。缶切り不要の缶詰や、温めずに食べられるレトルトを選ぶと、いざという時に手間がかかりません。アレルギー対応食が必要な方は、必ず専用のものを準備してください。3.簡易トイレ・携帯トイレ:1人1日5回分を目安に最低3日分意外と見落としがちですが、非常に重要です。断水すると水洗トイレは使えません。衛生環境の悪化は、感染症の原因にもなります。凝固剤と処理袋がセットになったものが便利です。トイレットペーパーやウェットティッシュも忘れずに。4.情報収集手段(ラジオ、スマートフォン、モバイルバッテリー)災害時には正確な情報が命を守ります。停電しても使える手回し充電式ラジオは必須。スマートフォンの充電が切れないように、大容量のモバイルバッテリーも必ず用意しましょう。予備の乾電池も忘れずに。5.明かり(懐中電灯、ヘッドライト、ランタン)停電時の夜間の移動や作業に不可欠。懐中電灯は一人一つあると安心です。両手が空くヘッドライトは特に便利。予備の乾電池もセットで。6.救急セット(常備薬、絆創膏、消毒液、包帯など)ケガをしたときの手当てはもちろん、持病のある方は常備薬を最低でも3日分、できれば1週間分は入れておきましょう。お薬手帳のコピーもあると役立ちます。マスク、体温計、手指消毒用のアルコールなども忘れずに。7.現金(小銭を含む)停電するとクレジットカードや電子マネーが使えなくなる可能性があります。公衆電話を使う場合(※1)や、小規模な店舗での買い物に備え、ある程度の現金(特に100円玉や10円玉などの小銭)を用意しておくと安心です。※1 公衆電話:災害時優先電話とも呼ばれ、大規模災害発生時には、通信規制の影響を受けずに優先的につながる電話のこと。設置場所はNTTのウェブサイトなどで確認できます。8.その他(ホイッスル、軍手、タオル、歯ブラシ、生理用品など)ホイッスルは、瓦礫の下などに閉じ込められた際に、助けを呼ぶのに役立ちます。軍手はガラスの破片などから手を守ります。タオルは体を拭くだけでなく、防寒やケガの手当てにも使えます。衛生用品も忘れずに。これらのアイテムを、すぐに持ち出せるリュックサックなどにまとめておきましょう。玄関や寝室など、いざという時にすぐに手に取れる場所に置くのがポイントです。意外な盲点?「あったら助かる」プラスアルファの備えさて、最低限のリストは押さえました。でも、実際の避難生活を考えると、「これもあったら助かったな」というものが意外とたくさんあります。ここでは、最低限リストに加えて、ぜひ備えておきたいプラスアルファのアイテムや、ちょっとした工夫をご紹介します。ここからは、少し「私ならでは」の視点も加えていきますね。衛生用品の充実:ウェットティッシュやドライシャンプー、水のいらない歯磨きシートなどは、断水時でも体を清潔に保つのに役立ちます。特に夏場や長期の避難生活では、衛生管理が健康維持の鍵になります。使い捨ての下着や、女性は多めの生理用品も。赤ちゃんがいるご家庭は、おむつやおしりふきを十分に。寒さ・暑さ対策:季節を問わず、災害時には体温調節が難しくなることがあります。アルミ製の保温シート(エマージェンシーシート)は薄くて軽いのに保温効果が高い優れもの。夏場でも夜は冷え込むことがあるので、薄手のブランケットやカイロもあると安心です。逆に夏場の暑さ対策として、携帯扇風機や冷却シートなども役立ちます。ストレス軽減グッズ:避難生活は、想像以上にストレスがかかるもの。少しでも心を和ませるアイテムがあると、気持ちが全然違います。例えば、好きなお菓子、読み慣れた本、携帯ゲーム機、トランプなどの簡単なゲーム、耳栓やアイマスクなども、プライバシーの確保や安眠につながります。小さなお子さんがいる場合は、お気に入りのおもちゃや絵本は必須ですね。これは「贅沢品」ではなく、心の健康を保つための「必需品」だと私は考えています。アナログな情報ツール:スマホやラジオも大事ですが、電池切れや電波障害の可能性もゼロではありません。地域のハザードマップ(※2)や、家族・親戚の連絡先を書いたメモ、筆記用具など、アナログな情報源も準備しておくと、いざという時に冷静に行動できます。※2 ハザードマップ:自然災害による被害の軽減や防災対策を目的に、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図のこと。お住まいの自治体のウェブサイトなどで確認できます。食料備蓄の工夫「ローリングストック法」:非常食というと、特別なものを買わなきゃと思いがちですが、「ローリングストック法」なら無理なく続けられます。これは、普段から少し多めに缶詰やレトルト食品、乾麺などを買っておき、使った分だけ買い足していく方法です。これなら、賞味期限切れを防ぎながら、常に一定量の食料を備蓄できます。ポイントは、普段の食事で消費しやすいものを選ぶこと。カセットコンロとガスボンベもセットで備えておけば、温かい食事も可能です。個々の事情に合わせた備え:赤ちゃんがいるなら粉ミルクや哺乳瓶、離乳食。高齢の方がいるなら、杖や常備薬、入れ歯洗浄剤。ペットがいるなら、ペットフードや水、トイレ用品、ケージなど。家族構成や健康状態に合わせて、必要なものをリストアップし、準備しておきましょう。これらのプラスアルファの備えは、「なければ生き残れない」わけではありません。でも、「ある」ことで、災害時の困難な状況を少しでも快適に、そして少しでも前向きに乗り越えるための助けになるはずです。「モノ」だけじゃない!地域とつながる「心の備え」の重要性ここまで、防災グッズという「モノ」の備えについてお話ししてきました。もちろん、それは非常に重要です。しかし、それと同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に大切なのが、「心の備え」そして「地域とのつながり」です。災害は、時として私たちの想像を超える力で襲いかかってきます。そんな時、一人で、あるいは一家族だけで立ち向かうのは限界があります。そこで重要になるのが、「相互扶助」の精神、つまり、地域の人々との助け合いです。ご近所さんとのコミュニケーション:普段から挨拶を交わしたり、ちょっとした立ち話をしたりするだけでも、いざという時の助け合いのスムーズさが全く違ってきます。「隣にどんな人が住んでいるか分からない」という状況は、防災の観点からも非常にリスクが高いと言えます。特に、高齢者や障がいのある方、小さなお子さんがいる家庭など、災害時に手助けが必要になる可能性のある方々を、地域全体で気にかける意識を持つことが大切です。地域の防災訓練への参加:多くの自治会や町内会で、防災訓練が実施されています。「面倒くさい」「参加しても意味ない」なんて思わずに、ぜひ積極的に参加してみてください。実際に消火器を使ってみたり、避難経路を確認したり、炊き出しを体験したりすることで、災害時の具体的なイメージが湧き、いざという時の行動が変わってきます。訓練は、地域の顔見知りを増やす絶好の機会でもあります。「あの時、一緒に訓練した〇〇さんだ」となれば、避難所などでも心強いですよね。安否確認方法の取り決め:災害時には電話が繋がりにくくなることが想定されます。家族間で、災害時の連絡方法(災害用伝言ダイヤル171や災害用伝言板web171の利用など)や、集合場所を事前に決めておきましょう。また、ご近所同士でも、「もしもの時は、お互いの玄関に無事を知らせる目印(例えば黄色いハンカチなど)を出す」といった簡単なルールを決めておくだけでも、安否確認がスムーズになります。地域の資源を知る・活かす:あなたの住む地域には、災害時に役立つ「資源」が眠っているかもしれません。例えば、井戸水が使える家、発電機を持っている工場、広い駐車場のあるスーパー、避難場所にもなりうる頑丈な建物(集会所や学校など)…。普段から地域の情報を意識し、いざという時に活用できる場所やモノを把握しておくことも、立派な「備え」です。自分の「できること」で貢献する:特別なスキルがなくても、誰もが地域に貢献できることがあります。力仕事が得意な人、料理が得意な人、子どもや高齢者のケアができる人、情報収集が得意な人…。自分の「できること」を持ち寄り、助け合う。これこそが「相互扶助」の原点であり、困難を乗り越えるための大きな力となります。防災グッズを完璧に揃えることだけが「備え」ではありません。日頃からの地域とのつながり、助け合いの心を持つこと。それが、モノの備えだけでは補えない、最も強靭なセーフティネット(安全網)となるのです。未来を守るための「今日の一歩」さて、今回は「家族を守るための防災グッズ」というテーマでお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?最低限必要なものリストから、プラスアルファの備え、そして地域とのつながりの重要性まで、盛りだくさんでお届けしました。「たくさんあって、やっぱり大変そう…」と感じた方もいるかもしれません。でも、大丈夫。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは、今日、何か一つでも行動に移してみませんか?家にペットボトルの水が何本あるか確認する。懐中電灯がちゃんと使えるかチェックする。近所のハザードマップを見てみる。家族と災害時の連絡方法について話してみる。帰り道に、ご近所さんに挨拶してみる。どんなに小さなことでも構いません。その「今日の一歩」が、未来のあなたと、あなたの大切な家族を守るための、確かな備えにつながっていきます。防災は、「特別なこと」ではなく、「日常の延長線上にある意識」だと私は考えています。普段から少しだけ防災を意識して生活する。食べ物や水を少し多めにストックする。ご近所さんと顔見知りになっておく。そうした日々の小さな積み重ねが、いざという時に大きな力を発揮するのです。そして、忘れないでください。あなたは一人ではありません。地域には、助け合える仲間がいます。日頃から「相互扶助」の心を育み、地域とのつながりを大切にすることが、どんな高価な防災グッズよりも、あなたの心を強く支えてくれるはずです。この記事が、皆さんの防災意識を高め、具体的な行動を起こすきっかけとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。さあ、未来を守るための「今日の一歩」を、一緒に踏み出しましょう!
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  • 「その時」どうする?地域で守る高齢者・子どもの防災新常識
    「その時」どうする?地域で守る高齢者・子どもの防災新常識こんにちは!暮らしの知恵と防災対策を発信する、あなたの街のブログライターです。地震や豪雨など、いつどこで起こるかわからないのが自然災害。そんな「まさか」の時、あなたは何を心配しますか?「家族は無事だろうか」「近所のおじいちゃんは一人で大丈夫かな」「向かいの家の小さな子どもたちは?」…そう、多くの人が、自分や家族と同じくらい、地域の弱い立場にある人々のことを案じるのではないでしょうか。今回は、ともすれば「支援される側」と見られがちな高齢者や子どもたち、いわゆる「災害時要援護者」※を、私たち地域住民がどう守っていくべきか、というテーマを深掘りします。行政が作成する「名簿」だけに頼るのではなく、もっと血の通った、温かい支援の輪を広げるための、意外で効果的なアイデアを3つ、ご紹介します。※災害時要援護者:災害が発生した際に、自力で避難したり情報を得たりすることが難しく、特別な手助けを必要とする人々のこと。高齢者、障がいのある方、乳幼児、妊婦、外国人などが含まれます。「名簿」から「顔なじみ」へ。最強の防災はご近所付き合いにあり多くの自治体では、災害時に支援が必要な方の「要援護者名簿」を作成し、いざという時に備えています。これはもちろん非常に重要な第一歩。しかし、私たちはこの「リスト」だけで安心しきっていないでしょうか。考えてみてください。災害の混乱時、名簿に書かれた名前と住所だけを頼りに、見ず知らずの人が「助けに来ました!」と現れても、素直に心を開けるでしょうか。特に高齢者の方は、不安からドアを開けるのをためらってしまうかもしれません。本当の意味での「いざという時の命綱」は、紙の上のリストではなく、「顔の見える関係」です。普段から「こんにちは」「いいお天気ですね」と挨拶を交わす仲であること。回覧板を手渡すついでに、「最近、膝の調子はどうですか?」と一言添えること。こうした何気ない日常のコミュニケーションこそが、非常時における最高の信頼関係を築くのです。例えば、「ゆるやか見守り隊」を結成するのはどうでしょう。これは当番制のパトロールのような堅苦しいものではありません。「犬の散歩のついでに、一人暮らしの〇〇さん宅の窓が開いているか確認する」「毎朝のジョギングコースに、車椅子を使っている△△さん家の前を必ず通る」といった、生活の中に組み込まれた自然な見守りです。この関係は一方的な「支援」ではありません。地域の歴史に詳しいお年寄りが防災に役立つ昔の知恵を教えてくれたり、子どもたちの元気な声が地域の防犯の目になったりと、誰もが誰かの支えになる「相互扶助」の精神が、そこには生まれます。まずは、隣近所の人と挨拶を交わすことから。それが、最強の防災システムの第一歩なのです。あなたの「得意」が誰かを救う!地域防災の意外なヒーローたち「防災訓練」と聞くと、消火器の使い方や三角巾での応急手当といった、画一的なメニューを思い浮かべませんか?もちろんそれらも大切ですが、もっと多様で、もっと楽しい防災の形があっていいはずです。ここで提案したいのが、地域の「得意技バンク」の創設です。あなたの周りを見渡してください。そこには、まだ見ぬ「防災ヒーロー」が隠れています。日曜大工が趣味のお父さん: 壊れたドアや窓を応急処置するプロフェッショナルです。SNSが得意な中学生:地域の安否情報や避難所の開設状況を、リアルタイムで発信・拡散する情報担当になれます。家庭菜園を極めたお母さん:災害時でも育てやすい野菜の知識や、保存食づくりの知恵を共有できます。元看護師のおばあちゃん: 専門的な医療行為はできなくても、ケガの応急処置や心のケアで、多くの人を安心させられます。このように、一人ひとりの趣味や特技、過去の職歴などを「防災スキル」として登録し、地域で共有するのです。これにより、「助ける人」「助けられる人」という固定的な役割分担がなくなります。足が不自由で避難は遅れてしまうかもしれないけれど、アマチュア無線のスキルで外部との通信を確保できる、という人もいるでしょう。大切なのは、誰もが「自分にもできることがある」と感じられること。自分の「得意」が誰かの役に立つという実感は、地域への貢献意識と自己肯定感を育みます。普段の地域のイベントなどで「得意技お披露目会」のようなものを開催し、お互いの意外な一面を知る機会を作るのも面白いかもしれませんね。「もしも」を「いつも」に。防災を日常に溶け込ませる魔法災害への備えが「特別なこと」であるうちは、なかなか長続きしません。防災意識を高く保ち続ける秘訣は、防災を日常生活の風景に溶け込ませてしまうことです。例えば、こんなアイデアはいかがでしょうか。公園のベンチが防災倉庫に!:一見すると普通のベンチ。しかし座面の下が収納スペースになっており、非常食や簡易トイレ、工具などが入っている「防災ベンチ」。普段は憩いの場が、いざという時には地域の防災拠点に早変わりします。月一回の「防災お茶会」:地域の集会所で、お茶を飲みながら防災に関する情報交換をする定例会。今月のテーマは「停電時に役立つレシピ」など、毎回気軽なテーマを設定します。高齢者の孤立を防ぎつつ、自然に防災知識が身につきます。子どもたちが主役の「防災スタンプラリー」:地域の危険な場所や、避難場所、井戸のある家などを巡るスタンプラリーを企画。子どもたちはゲーム感覚で楽しみながら、自分たちの住む街の防災マップを頭に叩き込むことができます。このように、防災を「イベント」としてではなく、「日常の習慣」や「地域の景色」の一部にしてしまうのです。「もしも」のために特別な準備をするのではなく、「いつも」の行動が、自然と「もしも」の備えになっている。そんな地域こそが、本当に災害に強い地域と言えるでしょう。この考え方は、日頃から助け合い、支え合う「地域貢献」の心を育むことにも直結します。防災を通じて、地域住民のつながりを深め、より住みやすい街を共につくっていく。それこそが、私たちが目指すべき姿ではないでしょうか。まとめ災害時に高齢者や子どもたちを守るために本当に必要なもの。それは、立派な計画書や最新の防災グッズだけではありません。本当の鍵は、日々の暮らしの中に隠されています。隣人と交わす挨拶。それぞれの「得意技」へのリスペクト。そして、防災を日常に溶け込ませるちょっとした工夫。これらが一本一本の糸となって紡がれるとき、地域には強くてしなやかな「セーフティネット(安全網)」が張り巡らされます。行政に頼る「公助」、自分の身を自分で守る「自助」はもちろん大切です。しかし、これからの時代に最も重要なのは、地域社会で支え合う「共助」、そして私たちの組合が掲げる「相互扶助」の精神です。「あの人なら、きっと助けに来てくれる」「この街なら、大丈夫」。そう心から信じられる関係性を築くことこそが、どんな災害にも負けない、究極の防災対策なのだと、私は信じています。まずは、明日、隣の家の〇〇さんに「こんにちは!」と声をかけるところから、始めてみませんか?
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  • 「線状降水帯」はゲリラ豪雨の比じゃない!専門家が語る本当の恐ろしさと生存戦略
    「線状降水帯」はゲリラ豪雨の比じゃない!専門家が語る本当の恐ろしさと生存戦略「また大雨か…」と、天気予報を見てため息をつくことが増えていませんか?こんにちは!暮らしの安全と安心を追求する、さっぽろ市民共済のブログライターです。近年、毎年のように耳にするようになった「線状降水帯」という言葉。どこか他人事のように感じている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「ゲリラ豪雨がパワーアップしたやつでしょ?」くらいの認識でいると、本当に危険です。今回は、この線状降水帯の“本当の恐ろしさ”と、私たち市民が生き残るための具体的な「生存戦略」について、専門家の視点から、少し踏み込んでお話ししたいと思います。この記事を読み終える頃には、あなたの防災意識は、きっと新しいステージに進んでいるはずです。点と線、これが決定的な違い!線状降水帯の異常な正体「ゲリラ豪雨」と「線状降水帯」。どちらも危険な大雨ですが、その性質は全く異なります。例えるなら、ゲリラ豪雨は“点”の攻撃、そして線状降水帯は“線”での執拗な攻撃です。ゲリラ豪雨は、狭い範囲に、短時間で「ドバっ!」と雨が降る現象。道路が一時的に冠水することはあっても、比較的早く水が引くことも多いですよね。一方、線状降水帯の恐ろしさは、その「持続性」と「範囲」にあります。活発な積乱雲(せきらんうん)が次々と発生し、まるでベルトコンベアのように同じ場所を通過し続けることで、数時間から半日以上、猛烈な雨が降り続くのです。想像してみてください。バケツをひっくり返したような雨が、あなたの住む街に、何時間も、何時間も降り注ぎ続けるのです。川はあっという間に危険な水位に達し、地面は雨水を吸収しきれなくなり、マンホールから水が噴き出す「内水氾濫(ないすいはんらん)※」や、山間部では土砂災害の危険性が急激に高まります。この「逃げ場のない、終わりの見えない雨」こそが、ゲリラ豪雨とは比較にならない、線状降水帯の本当の脅威なのです。(※内水氾濫:下水道などの排水能力を超えた雨が降った際に、水が地上にあふれ出してしまう現象のこと)あなたの常識が命取りに?線状降水帯の3つの罠「自分の家は大丈夫」「まだ避難しなくても平気」。その“いつもの感覚”が、線状降水帯の前では通用しないかもしれません。ここでは、多くの人が陥りがちな3つの「ワナ」について警鐘を鳴らします。ワナ1:「場所」のワナ - 川から遠いから安全という思い込み「うちは高台だし、川からも遠いから水害は関係ない」と思っていませんか?これは非常に危険な考え方です。先ほど触れた「内水氾濫」は、川から離れた市街地の真ん中でも起こり得ます。また、普段は穏やかな用水路や小さな川が、突如として牙をむき、道路を濁流に変えてしまうこともあります。まずは、お住まいの自治体が発行している「ハザードマップ」を必ず確認してください。そして、マップで色が塗られていない場所でも「100%安全」ではないことを肝に銘じましょう。想定外の事態が起こるのが、近年の災害の常識です。ワナ2:「時間」のワナ - 「まだ大丈夫」が手遅れに雨が強まってきても、「まだ大丈夫だろう」と様子を見てしまう。これは「正常性バイアス」と呼ばれる、誰にでも起こりうる心理です。「自分だけは大丈夫」と、無意識に危険を過小評価してしまうのですね。線状降水帯において、避難の鉄則は「明るいうちの水平避難」です。夜になると、周囲の状況が全く見えなくなり、足元が冠水しているのか、道路が崩れていないかさえ分かりません。停電すれば、頼りの情報も入ってこなくなります。危険が迫ってからではなく、危険が予測される段階で行動を起こす。「空振り」を恐れない勇気が、命を救います。ワナ3:「情報」のワナ - 受け身の姿勢が招く混乱「避難指示が出たら動こう」と考えている方も多いでしょう。しかし、指示を待っている間に、避難経路が寸断されてしまう可能性があります。また、昨今はSNSなどで様々な情報が錯綜し、どれを信じていいか分からなくなる「情報過多」に陥る危険性もあります。大切なのは、気象庁や自治体など、信頼できる情報源をあらかじめ確認しておくこと。そして、それらの情報と、実際に目の前で起きている状況(家の前の道路の様子、近くの川の水位など)を総合的に見て、「自分の判断で」早めに動くことです。避難とは、誰かにさせられるものではなく、自らの命を守るための主体的な行動なのです。生き残るための「新・防災常識」。今日から始める3つのアクションでは、私たちは具体的に何をすれば良いのでしょうか。従来の防災対策を一歩進めた、「新・防災常識」とも言える3つのアクションを提案します。アクション1:「垂直避難」の限界を知り、「水平避難」の選択肢を持つ水害時に「家の2階以上に避難する(垂直避難)」ことは有効な手段の一つです。しかし、それで安心ではありません。家が浸水地域にあれば、完全に孤立してしまう可能性があります。電気、ガス、水道が止まり、救助が来るまでの数日間、食料や水だけで耐え忍ぶ生活は想像以上に過酷です。そこで重要になるのが、安全な場所へ移動する「水平避難」です。避難所はもちろんですが、ハザードマップで安全が確認できる親戚や友人の家を、事前に「避難先」としてお願いしておく「縁故避難(えんこひなん)」も非常に有効な選択肢です。これは、いざという時に助け合う「相互扶助」の精神そのもの。平時のうちから、「もしもの時はよろしくね」と声を掛け合える関係を築いておくことが、何よりの防災になります。アクション2:「防災グッズ」から「防災ストック」へ発想転換防災グッズというと、非常用持ち出し袋を準備して押し入れの奥に…というイメージがありませんか?しかし、いざという時に賞味期限が切れていたり、どこに置いたか忘れてしまったり。これからは、「防災ストック」という考え方にシフトしましょう。これは、普段から使っている食料品や日用品(レトルト食品、缶詰、水、トイレットペーパーなど)を少し多めに買い置きし、使った分だけ買い足していく「ローリングストック法」です。特別なものを備えるのではなく、いつもの暮らしの延長線上に防災を組み込むことで、無理なく、無駄なく、災害に備えることができます。アクション3:「自分だけ」から「ご近所と」へ。地域で築く防災ネットワーク災害時、最後に頼りになるのは、遠くの親戚よりも近くの他人かもしれません。自分の身を守る「自助」はもちろん大切ですが、それだけでは限界があります。特に、高齢者や小さなお子さんがいるご家庭、身体に障害のある方など、自力での避難が難しい方々をどう支えるか。ここで輝くのが、「共助」、つまり地域での助け合いです。普段からの挨拶やちょっとした立ち話が、いざという時の「〇〇さん、大丈夫ですか?」という声かけに繋がります。自治会や地域の防災訓練に積極的に参加することも、顔の見える関係を築く絶好の機会。これは、私たちの暮らしの土台である「地域貢献」にも繋がる、尊いアクションです。自分一人の力は小さくても、地域が繋がれば、それは大きな防災力になるのです。まとめ:未来を変えるのは「想像力」と「行動力」線状降水帯は、確かに恐ろしい自然現象です。しかし、その発生は、数時間前には高い精度で予測できるようになってきました。つまり、私たちは何もできずにただ襲われるのではなく、「備える時間」が与えられているのです。今回お伝えしたかったのは、防災とは、特別なことではないということです。ゲリラ豪雨との違いを正しく理解し、その危険性を「想像する力」。ハザードマップを確認し、もしもの時の避難先を家族や友人と話し合っておく「行動力」。「空振りを恐れず、早めに動く」という主体的な判断力。そして、お隣さんや地域の人々と「助け合う」という温かい心。これらの「想像力」と「行動力」が、あなたと、あなたの愛する人の未来を守る、何よりの盾となります。災害は、いつ、どこで起こるか分かりません。しかし、備えがあれば、被害を最小限に食い止めることは可能です。この記事が、皆さんの日々の暮らしの中に、「防災」という安心の種をまくきっかけとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。さあ、今日から、できることから始めてみませんか。
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  • 気象警報・注意報、正しく知って命を守る新常識
    気象警報・注意報、正しく知って命を守る新常識皆さん、こんにちは!暮らしの安心をデザインする、防災ライターです。スマートフォンから「大雨警報が発表されました」という通知。テレビの画面に表示される「台風接近に伴う暴風警報」。私たちは日常的に「警報」や「注意報」という言葉を耳にします。しかし、その”本当の意味”を正しく理解し、適切な行動をとれているでしょうか?「警報が出たら避難すればいいんでしょ?」「注意報は、まあ大丈夫かな…」もし、あなたが少しでもそう思っているなら、この記事をぜひ最後まで読んでください。その認識、もしかしたら危険かもしれません。「警報が出てから」の行動では、手遅れになるケースもあるのです。今回は、気象警報・注意報を「自分事」として捉え、あなたと大切な人の命を守るための、一歩進んだ情報活用術をお伝えします。受け身の防災から、主体的な防災へ。今日から意識を変えていきましょう!「注意報だから大丈夫」は危険!警報・注意報の”本当の意味”とは?まず、基本中の基本ですが、「注意報」「警報」、そして最も危険度が高い「特別警報」の違いをおさらいしましょう。これは単なる危険度の順番ではありません。それぞれに、私たちが取るべき行動のヒントが隠されています。注意報(≒黄色信号):「災害が起こる”おそれ”」これは「これから天気が本格的に荒れますよ」という”予告編”です。「まだ大丈夫」と油断するのではなく、「この後、警報に切り替わるかもしれない」と考え、準備を始める段階です。例えば、家の周りの飛ばされそうな物を片付けたり、ハザードマップで避難場所を確認したり、備蓄品をチェックしたり。この段階での行動が、後の安心につながります。警報(≒赤信号):「”重大な”災害が起こる”おそれ”」危険が一段階上がりました。これは、避難行動を具体的に考え、必要であれば開始する段階です。特に、自治体が発表する「警戒レベル」と合わせて考えることが重要です。高齢の方や避難に時間がかかる方は「警戒レベル3」で避難を開始し、それ以外の方も「警戒レベル4」までには避難を完了するのが原則です。特別警報(≒非常事態の赤信号):「”かつてないほど”の危険が切迫」数十年に一度の、経験したことのないような災害が差し迫っている状況です。この警報が出た時点で、すでに避難所へ向かうことすら危険な場合があります。「ただちに命を守るための最善の行動」が求められます。屋外にいるのは極めて危険。無理に移動せず、家の中のより安全な場所(2階以上、崖から離れた部屋など)へ移る「垂直避難」なども選択肢になります。多くの人が陥りがちなのが、「自分だけは大丈夫」と思ってしまう「正常性バイアス(※)」という心の働きです。しかし、自然の力は私たちの想像をはるかに超えることがあります。「注意報」を軽視せず、”予告編”の段階から心のスイッチを入れること。それが、命を守る行動の第一歩なのです。(※注釈:正常性バイアス…自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人間の特性のこと。)あなたのスマホが最強の防災ツールに!情報の”受け取り方”改革今や、防災情報はテレビやラジオから”待つ”ものではなく、スマートフォンで能動的に”取りに行く”時代です。あなたのスマホを、最強の防災ツールに変身させましょう。① 「プッシュ通知」で情報をキャッチ!まずは、お住まいの地域の情報を自動で知らせてくれるアプリを入れましょう。「Yahoo!防災速報」や「NERV防災」といった無料アプリが有名です。また、多くの自治体が公式LINEアカウントで防災情報を発信しています。これらを登録しておけば、自分に関係のある警報や避難情報を、いち早く手に入れることができます。② 「キキクル」で”今いる場所”の危険度を知る!気象庁のウェブサイト「キキクル(危険度分布)」は、絶対にブックマークしておきたいツールです。これは、大雨による「土砂災害」「浸水害」「洪水害」の危険度が、地図上で色分けされて表示されるもの。自分の家や職場、学校など、ピンポイントの場所が今どれくらい危険なのかを、黄→赤→紫→黒という色の変化で直感的に把握できます。「大雨警報」という広い範囲の情報だけでなく、「自分の裏山が、今まさに危ない色(紫色)に変わってきている!」といった、よりパーソナルな危険を知ることができるのです。③ 「SNS」は”生の情報”と”デマ”を見極めるX(旧Twitter)などのSNSは、地域のリアルタイムな状況(「〇〇川が氾濫しそう」「〇〇道路が冠水した」など)を知るのに役立ちます。しかし、中には不正確な情報やデマも紛れ込んでいます。必ず「誰が」発信している情報か(公的機関や報道機関かなど)を確認し、複数の情報源と照らし合わせる冷静さを持ちましょう。大切なのは、「警報が出た」という結果だけを知るのではなく、「なぜ警報が出ているのか?」という背景(雨雲の動き、川の水位など)まで理解しようとすることです。情報を取りに行く姿勢が、あなたの判断をより確かなものにします。「避難」だけが答えじゃない。”その時”に取るべき最適行動の見つけ方「警報が出た!避難しなきゃ!」と、慌てて外に出ることが、かえって危険な場合もあります。取るべき行動は、あなたの置かれた状況によって変わります。その”最適解”を見つける鍵は、「ハザードマップ」と「地域のつながり」です。(挿絵:家族がリビングでハザードマップを広げているイラスト。「うちは川が近いから浸水のリスクがあるね」「土砂災害の心配はなさそうだから、警報が出たら慌てて外に出るより家の上階へ」「避難するならこの道が安全だね」と、具体的に話し合っている前向きな様子。)① まずは「ハザードマップ」で自宅のリスクを知る全ての行動の基本は、ハザードマップです。お住まいの自治体のホームページや、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で、ご自宅にどんな災害リスクがあるのかを必ず確認してください。浸水想定区域(川の氾濫など)にあれば、早めに避難所などへ移動する「水平避難」が基本です。土砂災害警戒区域(がけ崩れなど)にあれば、危険が迫る前に安全な場所へ「水平避難」が必須です。もし、これらのリスクが低く、家が頑丈であれば、無理に外に出ず、2階以上の高い場所へ移動する「垂直避難」や、「在宅避難」も有効な選択肢となります。この事前知識があるかないかで、いざという時の判断のスピードと正確さが全く違ってきます。② 避難の合言葉は「ご近所さんと一緒に」災害時に最も頼りになるのは、遠くの親戚より近くの他人、つまり「ご近所さん」です。避難する際は、ぜひ一声かけてみてください。「警報が出ましたけど、大丈夫ですか?」「避難しようと思うんですけど、一緒に行きませんか?」この一言が、逃げ遅れを防ぎ、人の命を救うことがあります。特に、一人暮らしの高齢者や体の不自由な方への気配りは、「相互扶助」の精神そのものです。「警戒レベル3が出たら、向かいのおばあちゃんに声をかける」といった地域でのルール作りは、まち全体の防災力を高める素晴らしい「地域貢献」活動です。まとめ:天気予報を”自分事”のシナリオに変えよう気象警報・注意報は、空からの一方的な「お告げ」ではありません。それは、私たちが自らの命を守るための行動計画を立てるための、極めて重要な「判断材料」です。「警報が出たから動く」という”後手”の対応から、「注意報の段階で、警報になった場合のシナリオを考える」という”先手”の防災へ。そのために必要なのは、ハザードマップで、自宅のリスクをあらかじめ知っておくこと。キキクルなどで、迫りくる危険をリアルタイムに把握すること。そして、いざという時に助け合えるご近所さんとの絆を育んでおくこと。これらの「事前の備え」と「地域のつながり」があって初めて、気象情報は真にその力を発揮します。情報を正しく理解し、主体的に行動する。その一人ひとりの意識が、あなた自身と、あなたの愛する家族、そして地域社会全体を守る最大の力となるのです。さあ、まずは今日の夜、ご家族と一緒にハザードマップを開いてみることから始めてみませんか?
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  • 【警戒レベル別】台風・大雨、いつ逃げる?避難スイッチの全知識
    「まだ大丈夫だろう」「うちの地域はいつも平気だから」台風や大雨のニュースが流れるたび、心のどこかでそう思ってはいないでしょうか。しかし、その「思い込み」が、取り返しのつかない事態を招くことがあります。災害は、ある日突然、私たちの日常を奪い去ります。大切なのは、いざという時に迷わず行動できる「心の準備」をしておくこと。そのために必要なのが、あなた自身の「避難スイッチ」を正しく理解し、適切なタイミングでONにすることです。この記事では、防災の専門家として、そして地域社会の助け合いを大切にする共済組合の担当者として、あなたの命を守るための「避難スイッチ」の入れ方を、警戒レベルごとに分かりやすく徹底解説します。「知っている」から「できる」防災へ。さあ、一緒に万が一への備えを始めましょう。「まだ大丈夫」が危ない!警戒レベルを知るのが第一歩テレビやスマートフォンから流れてくる「警戒レベル」。これは、国が定めた5段階の防災情報で、私たち住民がとるべき行動を直感的に理解できるようになっています。しかし、それぞれのレベルが具体的に何を意味するのか、正確に答えられるでしょうか。あなたの「避難スイッチ」を入れる最初のステップは、このレベルを正しく理解することです。警戒レベル1・2: 災害への心構えを高め、ハザードマップなどで避難経路を確認する段階です。まだスイッチはOFFですが、いつでも押せるように準備を始めましょう。警戒レベル3【高齢者等避難】:ここが最初の重要な分岐点です。避難に時間がかかる高齢者や障がいのある方、小さな子供がいるご家庭は、この段階で危険な場所からの避難を開始する必要があります。警戒レベル4【避難指示】:危険な場所にいる人は全員避難する段階です。この情報が出たら、迷わず避難を完了させてください。「勧告」が廃止され「指示」に一本化されたことからも、その重要性がうかがえます。警戒レベル5【緊急安全確保】: すでに災害が発生または切迫している、最も危険な状況です。このレベルが発令されるのを待っていては手遅れです。万が一、この状況になってしまった場合は、無理に避難所へ向かうのではなく、近隣の頑丈な建物や、自宅の2階以上など、少しでも安全な場所へ移動し、命を守る最善の行動をとってください。大切なのは、「レベル5を待たない」こと。そして、「レベル4までには必ず避難を終える」という意識を持つことです。「高齢者等避難」は他人事ではない警戒レベル3を、「自分にはまだ関係ない」と思っていませんか?もしそうなら、その考えは今すぐ改める必要があります。確かに「高齢者等避難」という名称ですが、これは決して特定の人だけの情報ではありません。これは、「避難準備の最終デッドライン」であり、すべての人にとっての「警戒を最大に引き上げるべきサイン」なのです。例えば、避難に手間取る小さな子供がいるご家庭、手助けが必要な家族がいる方、そして、避難経路に川や崖など危険な場所が含まれている場合。これらに当てはまる方は、たとえご自身が高齢者でなくても、レベル3の段階で行動を開始するべきです。「早すぎるくらいの行動が、結果的にあなたと家族の命を救う」。この言葉を、ぜひ覚えておいてください。レベル3は、私たち全員の「避難スイッチ」にそっと手をかけるべき、重要な合図なのです。あなたの「避難スイッチ」はどこ?ハザードマップで危険を可視化警戒レベルを理解したら、次にやるべきことは、自分たちが住む場所の「災害リスク」を具体的に知ることです。そのための最強のツールが、お住まいの自治体が発行している「ハザードマップ」です。ハザードマップは、いわば「地域の災害カルテ」。あなたの家が浸水する可能性があるのか、土砂災害の危険区域に含まれているのか、そして最も安全な避難所はどこなのか。それらが地図上に色分けで分かりやすく示されています。これを確認せずして、適切な避難はあり得ません。なぜなら、災害リスクは、同じ市内、同じ町内であっても、驚くほど異なるからです。川の隣と高台では、とるべき行動が全く変わってきます。今すぐ、お住まいの自治体のホームページでハザードマップを確認し、以下の3点をチェックしてみてください。自宅のリスク: 浸水想定区域(何m浸水する可能性があるか)、土砂災害警戒区域に入っているか。避難所の場所: 最も近い避難所はどこか。その場所は安全か。避難所までの経路: 途中に危険な場所(冠水しやすい道路、川、崖など)はないか。この確認作業こそが、あなただけの「避難スイッチ」がどこにあるのかを特定し、いざという時の迷いをなくすための、最も確実な方法なのです。避難所に行くだけが避難ではない「避難=避難所へ行くこと」だと思っていませんか?実は、避難の方法は一つではありません。近年、特に重要視されているのが「分散避難」という考え方です。これは、避難所だけでなく、複数の避難先をあらかじめ検討しておくというもの。例えば、安全な親戚・知人宅への避難:ハザードマップで安全が確認できる場所に住む親戚や友人の家も、立派な避難先候補です。気兼ねなく過ごせるため、心身の負担も軽減されます。在宅避難: 自宅がハザードマップ上で安全な場所にあり、頑丈なマンションの上層階などに住んでいる場合は、無理に外へ出るより、家にとどまる方が安全なケースもあります。ホテルなど宿泊施設の利用: 経済的な負担はありますが、プライバシーを確保し、安心して過ごすという選択肢も考えられます。避難所の過密状態を避け、感染症のリスクを低減する意味でも、分散避難は非常に有効です。大切なのは、「どこへ逃げるのが、自分と家族にとって最も安全か」という視点を持つこと。選択肢を複数持っておくことで、災害時の心の余裕が生まれます。これもまた、的確に「避難スイッチ」を押すための重要な準備と言えるでしょう。助け合いの心が生死を分ける。地域との繋がりと「共済」という備え災害時に最後にものを言うのは、「人と人との繋がり」です。どんなに個人で備えをしても、大規模な災害の前では無力になることがあります。そんな時、隣近所で声を掛け合い、安否を確認し、助け合う「共助」の力が、生死を分けることさえあるのです。日頃から地域の防災訓練に参加したり、ご近所さんと挨拶を交わす関係を築いておいたりすること。それは、一見遠回りに見えて、実は非常に効果的な防災対策です。いざという時に「あの人、大丈夫だろうか」と気にかけてもらえる関係性は、何物にも代えがたいセーフティネットになります。まとめ今回は、台風や大雨から命を守るための「避難スイッチ」について、警戒レベルの理解から具体的な備えまでを解説しました。警戒レベルを正しく理解し、「レベル4まで」に避難を完了させる。ハザードマップで自宅のリスクを知り、自分だけの避難計画を立てる。避難所だけでなく、親戚宅など「分散避難」の選択肢を持つ。日頃から地域と繋がり、「共助」の輪に参加する。あなたの「避難スイッチ」は、もう見つかったでしょうか。それは、防災情報を知る勇気、ハザードマップを開く一手間、そして、隣人を思いやる心の中にあります。そして、私たちの共済は、「相互扶助」の精神で、あなたの暮らしに寄り添い続けます。災害は待ってくれません。この記事を読み終えた今、ぜひ最初の一歩を踏み出してください。あなたのその行動が、あなたと、あなたの愛する人の未来を守るのです。
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